誠実でありたいと願うようになった理由
いつしか私は「誠実でありたい」と強く思うようになりました。
できないことを口にしてはいけない。言ったことができなければ、それはどんなに想いを込めていても嘘になってしまう。
人は言葉よりも、やっていることを見ています。
ご縁が増えれば増えるほど、1つひとつのご縁を本当に大切にできているのか…そんな不安も感じてきました。だからこそ、誠実であることは私の硬い信念となりました。
請求書に込めてきたメッセージ
個人事業主の頃から、請求書の備考欄には必ず書いてきた言葉があります。
(本来、そんなことを書く場所ではないのですが…笑)
「何時も、Nekonoteをビジネスのパートナーとして選んでいただき心から感謝申し上げます。
これからも私達は、皆さまの大切なお客様も同じ温度で大切にして参ります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。」
この「同じ温度」という言葉を、私は5年間意識し続けてきました。
父の言葉から生まれた軸
その背景には、父の言葉があります。
「父ちゃん、一人ぼっちだな」──父がそう語った記憶は、今でも私の心から消えません。
経営者となった私自身、大切な人が増えるほどに、孤独を感じることがあります。周りに恵まれている私でさえそうなのだから、きっと多くの経営者が同じ想いを抱いているはずです。
誠実に、できる範囲で全力を尽くす
母がよく言っていた「ない袖は振れない」という言葉も思い出します。自分の器を超えて背伸びするのではなく、誠実に、今できる範囲で全力を尽くすこと。
風呂敷を広げすぎれば、理想論しか語れなくなる。だからこそ、具体論が語れるレベルで止め、徹底してやり切る。その積み重ねの先に次の成長があるのかなと感じます。
「かぁさんの心」に重なった気づき
お盆に家族で懐かしいお店に行ってきました。そこで、ある言葉に出会いました。
「かぁさんの料理にはまけるけど かぁさんの心で一所懸命つくります」
その言葉に涙が出そうになりました。
最初から「同じ温度」なんて、おこがましかったのかもしれないです。
だからこそ私は、立派に見せようとするのではなく、自分の想いを押し付けるのでもなく、会社のメンバー全員が、それぞれの誠実さでできる範囲を全力で尽くす。弱さを認めて、謙虚に誠実であることこそ強さだと、今は思えました。
そして、この想いは頑固なので変わらないので…。
私にしかできないサービスも追加で作ると決めました。笑
願い
どうか。せめて。
お父さんに届くようなサービスが、私の人生をかけて世の中の人にもっともっと伝わりますように。
30歳の節目に
先日、弟の結婚式で初めて留袖を着て、
なんだか自分の人生も新しいページに入ったように感じています。
20代は仕事ばかりで、がむしゃらに走ってきました。
仕事は、いつからでも挽回できる。
だからこそ、これからは女性としての幸せも、決して放棄しない。私の人生は、不器用すぎて、繊細すぎて、時に自分に疲れることもあります。笑
それでも、誠実さと温もりを携えて、これからも不器用人生日記を続けていきます…。



株式会社Nekonote
代表取締役 伊藤麻里