
「事務の人を、とりあえず1人採用しようと思っていて」
社長さまとお話ししていると、この言葉をよくいただきます。
結論から申し上げます。
事務の仕事が「社内に常にいてほしい人」を必要とするなら採用、「止まらずに回り続けてほしい業務」なら外注が向いています。
社員10名前後で、事務を1人に集中させようとしているなら、その人が辞めた日に業務が止まらないかを先に考えてください。
よくいただくご相談「とりあえず事務を1人」
請求書も、入金の確認も、経費の精算も、社長ご自身が夜にまとめて片づけている。
そんな状態が続くと、「1人いてくれたら楽になるはず」と考えるのは、とても自然なことです。
ただ、1人に任せた仕事は、その人と一緒に止まります。
これは採用に限った話ではありません。
実はNekonoteでも、秘書業務と事務局運営をお一人の担当にお任せいただいていたお客様がいらっしゃいます。担当の交代をきっかけに、いま、チームでお預かりする形への切り替えをご一緒に検討しているところです。
外注していても、「1人に任せる」形のままなら、同じことが起きる。私自身、そこを痛感しています。
採用と外注を、同じものさしで比べる

| 比べる点 | 事務員を1人採用 | 外注(BPO) |
|---|---|---|
| 始めるまで | 募集・面接・入社・教育まで時間がかかる | Nekonoteは最短2週間で運用開始 |
| 毎月の費用 | 月給25万円なら、会社負担込みで月約29万円が目安。ほかに採用費・備品 | Nekonoteは月額15万円〜(税抜) |
| 契約の柔軟さ | 雇用契約。業務量が減っても固定費 | 業務範囲を増減できる。最低契約期間は3ヶ月から |
| 休み・退職のとき | 業務が止まる。後任探しからやり直し | 認定秘書30名のチームで引き継ぐ。担当が替わっても業務は止まらない |
| 得意な仕事 | 来客・電話・郵便・現物の管理、社内の細かな依頼 | 経理・労務・事務局など、ルールで回る業務。AIで効率化しやすい |
| ノウハウ | その人の頭の中にたまりやすい | 業務手順書をお客様に納品。ノウハウが会社に残る |
※会社負担の金額は、従業員を1人雇う費用(令和8年版)の試算による目安です。
表にすると、毎月の費用に目が行きがちです。
でも、表に出てこない費用もあります。
仕事を教える社長の時間。
採用がうまくいかなかったときの、やり直しの時間。
そして、その人が休んだ日に、仕事が社長の机に戻ってくる時間です。
お金より大きい、「辞めた日に止まる」リスク
1人に任せるほど、属人化する
「外注するとノウハウが社内に残らない」とよく言われます。
けれど、1人採用のほうが、実は属人化しやすいのです。
優秀な方ほど、自分なりのやり方で仕事を回してくださいます。
その手順が、ご本人の頭の中にしかない。
辞めると決まってから引き継ぎ資料を作っても、すべては書き切れません。
経理担当が辞めたときに起きること
その人が辞めた日、誰が請求書を出しますか?
誰が入金を確認して、誰が給与を計算しますか?
答えが「社長」なら、採用する前の状態に戻るということです。
しかも、どこまで処理が進んでいたのかが分からない分、前より大変です。
経理は、止められない業務です。
だからこそ、「人」ではなく「チームと手順」で持っておく価値があります。
採用が向いている会社・外注が向いている会社
どちらが正しい、という話ではありません。
外注一択でもありません。
採用が向いている会社
- 来客対応、電話、郵便、備品など、オフィスにいないとできない仕事が多い
- 「ちょっとこれお願い」という細かな依頼が、毎日たくさんある
- 将来の管理職候補として、社内で人を育てたい
外注が向いている会社
- 経理・労務・事務局など、ルールで回る業務が中心
- 事務の担当が1人しかおらず、その人が休むと止まる
- 業務量に波があり、毎月の固定費を増やしたくない
月に何時間あれば、採用したほうが得?
この質問もよくいただきます。
私は、時間の長さよりも、二つの問いで考えるのがよいと思っています。
その仕事は、毎日、安定してありますか?
その仕事は、AIや仕組みで減らせませんか?
毎日決まった量があり、仕組み化しても1人分の仕事が残るなら、採用を考えるタイミングです。
波があったり、仕組みで減らせたりするなら、まずは外注から始めるほうが無理がありません。
順番にすると、こうなります。
- 業務を棚卸しする
- 外注とAIで回してみる
- それでも毎日1人分の仕事が残るなら、採用する

「採用か外注か」の前にやること:業務の棚卸し
迷ったときに最初にやっていただきたいのは、事務の仕事を書き出すことです。
誰が、何を、月に何回やっているか。
書き出してみると、「社内でしかできない仕事」は思ったより少ないことが多いです。
外注すると決めた場合も、もう一つ選ぶことがあります。
「人を借りる」か、「部署ごと預ける」かです。
この違いは、前回のコラムオンライン秘書とBPOは、何が違う?にまとめました。
よくあるご質問
Q1. 社員10名ほどの会社でも、バックオフィスを丸ごと外注できますか?
できます。小さな会社ほど「事務は1人分に満たないが、経理・労務・秘書業務が少しずつある」状態になりやすく、まとめて預ける形が合います。Nekonoteでは、まず業務を棚卸ししてから範囲を決めます。
Q2. 経理担当が辞めた後、外注に切り替えても間に合いますか?
間に合いますが、退職前に引き継ぎを始めるほうが確実です。Nekonoteは最短2週間で運用を開始でき、引き継いだ業務は手順書にしてお渡しします。退職が決まった段階でご相談ください。
Q3. 採用と外注を組み合わせることはできますか?
できます。来客対応や現物の管理は社内の方、経理・労務などルールで回る業務は外注、と分けると、社内の方の負担も属人化も減らせます。
最後に
「とりあえず1人」は、社長が一人で抱えてきた証拠だと思います。
その一歩を、誰か1人に背負わせる形ではなく、会社の仕組みにしていただけたら嬉しいです。
私自身、Nekonoteの中で同じ課題に向き合っている途中です。
「採用か外注か、まだ決めきれない」という段階で大丈夫なので、業務の棚卸しから一緒にさせてください。
▼Nekonoteの外部化戦略について詳しくはこちら
https://nekonote2023.com/outsourcing/
社長を、勝たせる。
― 株式会社Nekonote 代表取締役 伊藤麻里